小顔用のウスカル枠


[ML談義]

PDが狭く顔も小さめの人に


 岡本 「強度近視の人が店に来たらどうするかって? そんなの心配はいらんよ。
このごろは小さめの枠はたくさんあるから、
その中からどれか選んで貰えばいいんだからネ」
などとタカをくくっていては、専門店の看板が泣きます。

 小さい枠にレンズを入れて、耳側の厚みは何とかなったが、
鼻側の厚みには併行した、
パッドの調整ができない……
なんてなんてなんてこなりかねません。

 強度近視のメガネを薄く軽くするための枠として、
ウスカル枠というのを私はひとつのカテゴリーとして提唱しました。
玉型46mm以下で鼻幅21mm以上、というものです。

 子供用の枠は、玉型ではこの条件にはまるのですが、
鼻幅でダメなのです。(腕も、おとなには短かすぎるわけですが)

 結果として、ウスカル枠をたくさん持っている店は
たいへん少ないのが現実です。

 そして、ウスカル枠においては、
たとえ玉型サイズが42程度であっても
、鼻巾が広いのと智の張り出しとでやや顔幅の広い人がかけても、
外見的にさほど小さく感じないのが面白い点です。

 当店が藤村眼鏡というところから仕入れたEYE2というメタル枠があり、
これは元々は、ほとんどまん丸なのですが、
少し楕円になるように私が勝手に変えて並べておきました。

 サイズとしては、玉型横幅39天地29で鼻幅22にしたので、
フレームPDが61で玉型の総横幅
(これを耳幅と言いましょう。この長さにレンズ耳側の厚みが左右されるわけです)
が100mm(39+39+22)となり、
これは、PDも鼻巾も狭い人のための、
究極のウスカル枠だと言えます。
 この枠だけ(ダミーレンズなしで)の重さは約9gです。

 そこに下記の度数で、ガラスの1.8非球面のレンズを入れました。
 このお客さん(34歳女性)は薄さにこだわっておられたので、
プラスチックでなくガラスを勧めました。

 R=S−9.75 C−1.00 Ax80   PD29
 L=S−10.50 C−0.75 Ax100  PD28.5

 このかたは、
「コンタクトを常用していてメガネは家でテレビを見るくらいですので」
ということで、左右共に1D程度低矯正にしています。

 玉入れの結果は下記のとおりです。

 枠とレンズを足した重さ 23g
 コバ厚 R 鼻側 2.3mm 耳側3.7mm
     L 鼻側 2.6mm 耳側4.0mm

 このウスカル枠、eye2はフレームPDが61ですので
PDが狭い人に向いています。

 このお客さんには、
我が国で初めてウスカルのコンセプトで商品化された
「小田幸のOK枠」
(42□25だからフレームPDは67で、玉型総横幅が109mm)
よりも、この方がよかったわけです。

 なぜなら、この方がOK枠よりも
玉型総横幅が9ミリも短いから
耳側の厚みが断然薄くなるし、
この人のPDだと、玉型の中央に近いところに瞳孔中心が来るわけです。

 ウスカル枠も、サイズをいろいろ置いておく方がよいということが、
この例でわかると思います。

 佐野 eye2のフレームを取り寄せてみたいと思います。
来週、S−14.00でPD60の方がお見えになる予定です。
出来るだけ薄く、軽くしてあげたいので大変ありがたい情報です。

 岡本 マイナス10D前後かそれ以上だと、
OK枠とか、EYE2枠とかの、
ウスカル枠でないと良いめがねにならないように思いますね。

 それから、フィッティングのときには、
睫毛が眼に触れないかぎり
頂間距離を短くしてあげてくださるのがよいと思います。

その方が、フレーム視野が広がり、
網膜像の縮小が少なめですみ、歪曲も減り、
矯正効果が上がります(おそらく低矯正処方でしょうから)。


 --------------約1週間のち-------------


岡本 たったいま、EYE2のお客さんが、できあがりを取りに来られました。
 できたメガネをまず手にとってご覧になり、
「レンズはこんなに薄くなったのですか!重さも軽いですねえ」
とおっしゃり、コンタクトをしておられましたが、わざわざコンタクトを外して
(初めからそのおつもりらしくコンタクトのケースも持ってきておられました)、
新しいメガネをかけて鏡をご覧になりました。

「うわ〜! (^o^) まったくレンズの厚みを感じませんね」
「はい。正面から見ますと、ウズが全然見えませんでしょ。
 でも、少し斜めに顔を振れば、ウズはやはり出ますけど……」
「あ、なるほど……。でもこのくらいなら辛抱できます。
前のメガネに比べたらウソのように厚みが目立ちません。
ああ、よかった……。このままメガネで帰ってみます」

ということで、コンタクトはケースにしまったまま、
メガネをかけてお帰りになりました。

 佐野 あの強度のお客様が来店されました。

6年前、当店にてお買い上げのメガネ

R S−13.50
 L S−12.50C−0.50 AX110
フレーム 46□20 OCD60

今回
 R S−14.00 
   L S−14.00 C−0.50 AX110 
            PD R30 L30.5

完全矯正値 
R S−15.00 
L S−14.75 C−1.25 AX110
 テストフレーム(ハセガワビコー547)頂間距離は12ミリに設定

装用テスト後の仮の処方決定度数 
R S−14.50 L S−14.50 C−0.50 AX110
 お買い上げフレームのVDを9〜10ミリに調整

頂間距離を考慮した最終処方値 
R S−14.00
L S−14.00 C−0.50 AX110


 フレームはeye2とFLEA-05とで迷われたのですがFLEA-05になりました。
 そして、これは元々は42□23なのですが、
私が少し変形して41□23にしました。
 レンズは、ガラスの1.90の非球面(前回と同じ)を使用しましたら、
最大コバ厚は、
R:約4.6ミリ、L:約4.9ミリ
となりました。

 岡本 ご報告をありがとうございました。
 前回のサイズ、40□26でも、
決して悪いサイズではなかったと思いますが、
今回は度数が前よりもけっこう強くなりましたから、
ウスカル枠にしてよかったですね。



 しかし、もしも佐野さんがウスカル枠のことを気にかけておられなかったら、
うっかりすると、46□20程度のサイズも置いてなくて、
厚くて重いメガネしか作れないということになっていたかもしれませんし、
いまそういう状況にある店も多いのではないかと思います。

 −10Dを超えると、
レンズの裏カーブがかなり強くなるので、
鼻幅や玉型サイズが2〜3ミリ変わるだけで、
意外に厚みが変わるものです。

 お客様がお選びになったFLEAというウスカル枠は
オプティクマスナガの枠ですね。
あれは、色が豊富で可愛いですね。

 枠自体が全体に細くて軽いので、
厚みのあるガラスレンズを入れると重心が前にかたよりがちです。
 そこで佐野さんの熟練したフィッティング技術が効果を発揮するわけです。(^_^)


中屈折のプラレンズでも

 岡本 昨日来られたお客さん(25歳男性)ですが、
当店処方で下記の度数で作ることになりました。

 R=S−6.75 C−0.50 Ax105 OCD33
 L=S−6.50 C−0.25 Ax10 OCD30.5

 レンズの薄いのがほしい、
メガネ全体は軽いのがよい、
値段はなるべく高くないのがよい、
とのご要望です。

 このかたは特に軽さにこだわっておられましたので、
まず、ガラスレンズは外してプラスチックを使うことにし、
枠はなるべくチタンを勧めることにしました。

 それで、いろいろ見せているうちに、
ウスカル枠の代表選手とも言える小田幸のOK−18をおかけになりました。

 このかたは鼻根が広くて盛り上がっているので、
鼻幅が広いOK−18はうまく合います。

 それで、この枠とレンズとの関連でのメリットをいろいろ説明したところ、
枠の大きさは顔に比べてやや小さめ
(このかたはPDの割に顔は広め)
でしたが、それは辛抱するとのことでした。

現在まだ全般的にメガネは小さめが主流のようですので、
そういう状況も有利に働いているようです。

これが20年ほど前の頃のように大きな枠がはやっている時期でしたら、
この小ささでは承知されなかったかもしれませんが……。

 それで、ウスカル枠でこの程度の度数なので、
レンズは1.6のプラ(球面設計)でもけっこう薄くなりますよ、
ということで厚み予測をしましたら、
それを注文なさいました。

 1.67の非球面なんかだと値段が張りますが、
1.6の球面設計だと、それに比べたらかなり安くてすみます。

 作った結果、重量は枠とレンズで12.7gでした。
この枠だけで8gですが、レンズが小さいので4.7gですんだわけです。
最大コバ厚は左右共に2.7mmでした。

 佐野 あのお客様が昨日受け取りに来られました。
正面から見た感じでは、−14.00には見えません。

 レンズのサイズが小さくなったので
正面からみて顔の輪郭線の入りコミがなくて、
度の強さがわかりにくいです。

 うずは仕方がないが、
前のメガネと比べると、とてもスッキリしたと、
表情も明るく喜んでおられました。

 ただ強度の方は度の強いメガネをを掛けているという事に対して
コンプレックスがあるのか、目を見て話をしていると目をそらし気味です。

(この辺りの心理は、メガネの必要のない人、
弱度の方には、わからないとおもいます)

 若い女性は別かと思いますが、
メガネでレンズが薄く、軽く、掛けやすく、
外見上も良くなればコンタクトをやめてメガネにしたいと思う方は、
結構おられるのではと思います。

 今回、ウスカルMLを通して、
強度の方により適したフレームが見つかりました。
今後いろんなサイズ、いろんなスタイルのものが
開発され発売されれば、
お客様にとっても、店にしてもありがたいことだと思います。

 それで、このFLEA枠のフィッティングですが、
このフレームは、モダン部が独特の形状でして、
テンプルの短い方なので最初に曲げてある地点から少しの調整でいけました。

 本来なら曲げた支点から後方に長いのでカットしたかったのですが、
ずりおちないため、そのままにしました。
(ケーブル式のテンプルみたいになり、安定しました)
 パットもシリコンに変え、より安定しました。

 岡本 さすが佐野さん、細かく個人対応をされましたですね。(^_^) (2005.5) ☆


ウスカル眼鏡、販売記
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