メガネ・フィッティング調整研究会

メガネ・フィッティングの奥深き世界とは

ユーザーの方々へのお願い

1.メガネは、できるだけ行きやすい店で購入を

メガネは床の間の飾り物ではなく、毎日使うものですので、使用を開始してからあとのアフターケアーが肝心です。

そして、そのアフターケアーは、そのメガネを購入した店の方がベターです。
その理由は下記のようなことがあります。

・そのメガネの構造、素材などについては、それを販売した店が一番良く知っているはずなので、あとの調整もやりやすい。

・そのメガネ専用の部品があれば、それもそのメガネの販売店なら持っている。

・調整によって万一破損などが起こった場合でも、前にそのメガネで利益を得ているのだから弁償などもしやすい。

・メガネ店に持ち込まれた他店購入のメガネの調整については、上記のこととまったく逆なので、普通のメガネ店は他店購入のメガネの調整依頼を、たとえ調整料金をもらっても、破損のリスクをひっかまえてでもきちんと責任を持っておこなおう、という気にはなりにくいし、 したくてもできないこともある。だから他店購入のメガネの調整にはかかわりたくない。

・他店購入のメガネの調整依頼に対してまったくイヤな顔をしなくて喜んで引き受けるとか、進んで宣伝をしてそういうお客さんを呼ぼうとする店は、どちらかといえば、技術の練磨よりも商売本位であり、ベテランの熟達した技術者が店にいる確率は少ない。
だからそういう店では、満足のいく調整をしてもらえる可能性も少なくなる。


ですので、メガネというものは、そのアフターケアーを受けるのに行きやすい近隣の店で購入されるのがよいのですが、しかし、近隣には自分が買いたいメガネを売っている店がない、近隣のメガネ店には技術的に良い店がない、 などの理由で、やむを得ずやや遠い店、あるいは相当に遠い店でメガネを購入されるケースも出てくるでしょう。

たしかに、それはしかたがないことかもしれません。
では、その場合のメガネのアフターケアーは、どのようにすればよいのでしょうか。

(参考までに)
なお、地元によいメガネ店があるのにいわば見栄のために、わざわざ電車で1時間もかかる大きな町のデパートでメガネを買う、という行為が必ずしも悪いとは、私は申しませんが、その場合には、アフターケアーのちょっとした調整なども、地元のメガネ店に面倒をかけることなく、そのデパートでやってもらうということで、そのデパートでメガネを買っていただきたいと思います。

2.こういうふうにしてほしいです

メガネフレームの調整は、大きくわけて二通りあります。

1)なんとなくかけ心地が悪い、とか、ややずれやすいとか、午後になると耳のあたりが少し痛くなってくるとかいう、いわば慢性病的な症状。

2)ものにぶつけて大きく歪んでしまった、このままではまったく使えない、いわば急病的な症状。

上記の1)の場合はもちろんのこと、2)の場合でも、とりあえずは代わりのメガネがあってなんとかなる、というのであれば、やはり購入店で調整をしてもらってください。

電車で1時間かかって行ける店で買ったメガネであれば、その店へ調整に持っていっていただきたいと思います。(理由はすでに述べています)

ただし、、何らかのやむを得ない理由で非常に遠いところにある店(たとえば、電車で半日かかるとか)で購入したメガネであれば、とりあえずは近隣のメガネ店に調整を依頼する、ということにせざるを得ないこともあるでしょう。

また、1)ではなく2)の場合で、そのメガネの代わりとなるものがなく、すぐにそのメガネを修理調整してもらわないと困る、という場合ならどうでしょうか。

その場合には近隣の店に行かないとしかたがないのですが、しかし、これまでに述べた理由で、
自分の技術にプライドを持って(他店購入のメガネの難しい調整を無料でなんかできるものか、という気持ち)しかも、責任感から「調整をする以上はきっちりとしたことをしたい」と思う眼鏡技術者は、多くのユーザーが無料での十分な調整を望んでいる という現実を踏まえると、他店購入のメガネの調整依頼を歓迎できません。

もしも、あるメガネ店が他店購入のメガネの調整依頼を調整料金のことを言わずに気安く引き受けたのなら、その調整の内容にもよりますが、その調整がよほど簡単なものでない限り、その作業の結果については、期待は持てないと思っていただくとよいと思います。
ですので、あなたの近隣のメガネ店における、他店購入メガネの調整依頼に対するうわべのスタンスがどうであれ、以下のような具合に他店購入のメガネの調整依頼をしていただきたいと私は思います。

1)なぜ、この店で買ったものではないメガネをこの店に持ち込んだのかという理由を、まず、告げる。

もしも、このHPをごらんになってメガネフィッティング調整研究会の会員の店にいらっしゃったのであれば、「会のHPを見ました。あの6つの条件を承諾します」とおっしゃって、購入店の名前をおっしゃれば、それで前置きはすむわけですが、 メガネを調整に持ち込んだ店がメガネフィッティング調整研究会の会員店はない、というのであれば、なぜ、この店に他店購入のメガネを調整に持ち込むのかということをおっしゃっていただきたいです。

その理由を聞かせてもらって、それに納得してこそ、優秀な技術者であれば、だったら自分の技術を発揮して調整をして差し上げようか、という気持ちになるのです。

たとえば、「買った店が隣の街のC店で、隣い町まで行くのは面倒だから」ということで、しかも、急を要する調整でもなく、しかも、まだその店へは調整に一度も行っていない、というような状況であれば、その他店購入のメガネを持ち込まれたメガネ屋としては 気持ちよく、その調整依頼に応じる気になるわけがなく、「それならまずその店へ持って行ってください」と言われるでしょう。

しかし、そうでなく、たとえば「このかけ心地の悪さを、何度も購入店の〇〇メガネに持って行って調整してもらったのだけれど、なかなか改善しません。
貴店は技術がよいと聞きました。
次回からは、貴店でメガネを買いたいと思いますので、このメガネのかけ心地をなんとか良くしてもらえませんでしょうか」というふうな事情であれば、まず、それを断るメガネ技術者はいないと思います。

それなら、自分の良い技術を発揮して、困っている人を助けてあげようかな、という気になるわけです。

2)メガネ店へのリスク負担を減らすことを考える。

単に「ネジがゆるくなったので締めてほしい」程度の調整依頼ならともかく、かなり枠を触らなければならない調整の場合には、枠のめっきはげだとか、折れの危険性などのリスク負担があるわけです。

そういうことに対して、気丈なメガネ屋さんならあらかじめユーザーにリスクを告げて、それでもよいかどうかを確認するでしょうけれど、気が弱い人、というか、きつそうなことを言ってユーザーから悪い印象を持たれたくないと思うメガネ屋さんの場合、 そういうことは言わずに調整にとりかかることもあるものです。

そうすると、十分な思い切った調整ができずに、適当なところですませてしまい、したがってユーザーの不満は解消されないまま、ということになりがちです。

ですので、ユーザーの方から積極的に、技術者がリスク負担を負わなくてよいから、しっかちろ調整してほしいということを言ってほしいのです。
その負担を負ったままでは、思う存分の十分な調整作業はできないのですから。

3)調整料金のことを言う

もしも、あなたが、ある整形外科の医院で治療をしてもらっている足の痛みがなかなかうまく治らないので、別の医院へ行ったとします。
それでその別の医院の医師はイヤな顔をするでしょうか。しませんよね。

その理由は、患者さんが、あとで行った医院にもしかるべき対価を支払うのは当然、と思っており…
もちろんですが、その医師も、患者さんがそれを無料でしてほしいと思っているかもしれないなどとは考えませんし、治療費はきっちりと取ります。

足の状態が改善してもしなくても、行なった診察や治療作業に対する費用は取りますし、払う方も当然だと思っています。

そのほかにも、あとで述べるような理由もあるのですが、メガネの場合は、そういうふうには、なりにくいものです。

すなわち、メガネ店では、ユーザーに、そういう場合の調整料金を支払う気持ちが薄く、それゆえにメガネ屋としても調整料金はもらいにくい……、
でも、ただでするのはあほらしい……
そうかと言って料金を請求すると儲け主義のように思われるから、それならいっそ他店購入のメガネの調整は断るほうがまだまし、

という考えで、他店購入のメガネの調整は断る店も多い、という状況になっていることの理由は、どういうことなのでしょうか。

その理由としては、下記のようなことがあると思います。

a)商売商売の気持ち(いわば、人気とり)で、これまでに、他店購入のメガネに対する調整作業に対して費用を請求することをしてこなかったメガネ屋が多く、それに慣らされているユーザーも多い。
b)メガネの調整で難しいものでも、それをある程度できるメガネ屋が少なく、したがって、そういう作業にでくわしたユーザーも少ないので、メガネ屋の優れた技術に対する評価の念が一般ユーザーの間に醸成されていない。
c)医療機関の場合には診察や治療が本業であり、それがいわば収入源のすべてであり、それでも場合によってはそれを断るのは、救急で入院を希望する患者さんに対する受け入れ体制の不備などの、よほどの理由がある場合に限られる。
d)また、町の自転車屋の場合は、ほとんどは修理で収入の大半を得ており、他店購入の自転車の修理を受けなければ経営が成り立たない。(町の時計屋さんも、クオーツが普及するまでは、それに近い状況でした)
それに対してメガネ屋の場合には、メガネの販売が本業でその販売代金で経営が成り立っていて、自店で購入されたものでも他店で購入されたものでも、 その修理や調整による収入というのは、ごくわずかにすぎないし、その収入はゼロでもかまわない。


ざっと、上記のようなことがあるわけです。

しかし、そうだからと言って、メガネの修理や調整に対する姿勢や取り組みが、いつまでもこのままで良いとは、私は思いません。
私は我が国で今後優秀な眼鏡技術者が増えることを願っています。

しかし、現在、大型チェーン店の増加や、生き残り競争の激化などのせいで、それとは逆の方向に業界全体が流れているような印象をぬぐえません。

ただ、そういうことを嘆いていてもしたたがないわけで、ここでは、あるユーザーがとりあえず飛び込んだメガネ店が、そこそこに技術ができる店であったとして、その技術を存分に発揮してもらうための方策を私は述べているわけですので、 ここで話を本題に戻しましょう。

あるメガネ屋さんに他店購入のメガネの調整を依頼する場合には、ユーザーの方から「調整料金は払いますので」とおっしゃっていただくのがよいです。
その結果、相手がどう言うかはわかりません。

「いえいえ、これはネジをしめるだけですので、料金は無料でいいですよ」と言うかもしれないし、「料金は無料でいいですが、調整による破損の恐れはありますが、それでもいいですか」と言うかもしれないし、 「そうですね。この調整ですと、作業に要する時間にもよりますが、1000~3000円程度はいただきたいですね」と言うかもしれません。
とにかく、調整料金のことをユーザーから先に言うということは、技術者の力量を評価していますよということの表れでもあるのですから、技術者としても、悪い気はしないし、「じゃあ自分が持っている技術を精一杯発揮しよう」 と思うでしょう。

それから、おわりに、ユーザーのかたにわかっておいていただきたいことがあります。

1)枠の構造や素材がもともとが具合が悪い枠であって、その調整が不能なものもあって、その枠の場合、ある人には無調整でもなんとかなるけれど、別の装用者には、誰がどのように調整しようとしても、どうにもならない、ということがあります。

2)枠の大きさや構造が、その装用者にはミスマッチで、優秀な技術者が調整しても、すくなくともその装用者にはうまく合わせられない、ということもあります。


こういう場合には、われわれは、そのユーザーから、たとえ、リスクを負ってくれなくてもよいとか、調整料金は払います、とか言われたとしても、残念ながらご希望に沿えないわけです。

そして、技術を重視する店なら、初めの段階でそういう枠を仕入れなかったり、あるいは、枠を選択するときに、ミスマッチの枠は販売しなかったりして、上記のようなことになることを避けられるように努めているわけです。

こういっては、なんですが、大規模なチェーン店などで、社員の技術を磨くことよりも、売り上げの数字を重視することを優先するようなメガネ店であれば、上記の1)や2)のようなメガネを販売してしまう確率が、 そうでない店よりも、幾分高いのではないかと思います。

あるいは、規模の大小はともかくとして、「コンセプトショップ」とか「セレクトショップ」などと言われる、ファッション重視、ブランド重視のメガネ店においても、同様の傾向が見られる店が多いのではないかと私は推察しています。

なお、付け加えるならば、あなたがもしも、他店購入のメガネをある店に掛け心地の調整に持ち込んで、何のもったいも付けずに笑顔で簡単に引き受ける店員がいたら、次のことを尋ねてみてください。
「無料で必ず良いかけ心地になるように調整してもらえるのかどうか」
「調整作業によって万一破損や傷などが起こったら、弁償をしてもらえるのかどうか」

よくある質問

会員店募集



トピックス

鼻にパッドの跡が残らない
浮きメガネができました。
浮きメガネ研究会

トピックス

本会の代表者が
全国の眼鏡技術者向けの
技術教本を発刊しました
岡本隆博著
『眼鏡処方の実際手法』

↑ PAGE TOP