メガネ・フィッティング調整研究会

メガネ・フィッティングの奥深き世界とは

メガネの賢い買い方


先日、こんなことがありました。

本会の会員店である、K県のA店さんに先日、A店さんの地域のメガネユーザーのかたでふちなしフレームのレンズが破損したかたが、そのフレームの製造元であるH社の紹介で来店されました。

なぜ、H社の紹介なのかを、お客様にAさんが尋ねますと、
「このメガネは、関西にあるBメガネさんが当地に出張にきて、購入しました。それで、レンズ破損の件で、Bメガネに電話を何度もしたのだが、電話に出てこない」

とのことで、仕方なくH社のお客様相談室に電話をしたら、A店さんを紹介してくれたとのことです。

このメガネのレンズが破損した理由は、メガネをいじくり回したから、とのことですが、このフレームは、ブッシュでレンズのふちを止める方式のフレームで、調整はレンズ破損の危険があり、やりづらいものです。

ましてや、このかたはプラス度数で耳側のレンズが薄いです。それなのに、ご自分で調整しようとして・・・・・・・・。

このかたが自分で調整しようと思ったののは、
「Bメガネさんが、このフレームは柔らかいから、ご自分でつつけます」
と言ったからだそうです。

まー、なんと無茶なことを言うメガネ屋さんでしょう。

それで、Aさんは、理由を説明してそのメガネの調整は断りました。

するとそのお客様は、「メガネがなくては困るし、A店さんなら信頼できそうだ」ということで、A店で新たにメガネ(フルリム枠)をお作りになりました。

そして、そのお客様は後日にまたA店に来られて「前に調整を断られたふちなしフレームも使いたい」とおっしゃいましたので、A店では、その枠を生かして、レンズを両眼ともA店で検査した度数に作り替えて メガネをお渡ししました。

A店の店主のAさんは、お客様にアフターケアのことも、十分に説明しましたので、今後このお客様は、あとあとアフターケアーの点で困ることになる「出張販売」や「通販」でメガネを購入なさることはないと思います。
なお、Bメガネは、現在店を閉めてしまっています。

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メガネは、実用品であり、使用開始後のアフターケアーも重要です。
ですので、購入店でのアフターケアーを受けにくい、メガネの購入方法というのは、賢明な方法ではないと私は思います。

それはたとえば、下記のような購入方法は賢明な方法だとは言いがたいのです。

1)通販や出張販売や、(海外)旅行先などでは、メガネを買う。

2)支店のスクラップアンドビルドが多く、その地域のユーザーに迷惑をかけることが多いチェーン店でメガネを買う。

3)特に理由もないのに、なんとはなしのイメージとか見栄などで、電車で何十分もかかるような遠方の店やデパートでメガネを買う。


以下に、上記のことについての解説をします。

1)の場合、地元の店にはその種のメガネがなく、たいへん気に入ったので是が非でもこれがほしい、というのなら、フレームのみを購入されるのも必ずしも悪くはないかもしれません。

ただし、その場合でも、下記のリスクは承知しておいてください。

「そのメガネの使用開始後にアフターの調整などをうけたいときに、レンズを入れた店でや、他の店がそれを的確になしえるとは限らない」

そして、特に通販では、たとえ5本の中から一本を選ぶというような方式であっても、購入の時点でのフィッティング調整はなされないわけですし、フィッティング調整によって、そのかたのお顔にきちんと合わせられるかどうかの 確認もなく、そのメガネを販売してしまうのが、メガネの通販という販売方法なのです。

メガネ通販110番 → http://eyetopia.biz/tuhan/

そして、通販で買ったメガネフレームにレンズを入れてもらう店に持っていった場合、そこでちゃんとしたフィッティング調整ができるとは限りません。

それは、たとえ、その通販業者と「提携」をしていると言っているリアル店舗に持っていったとしても、同じことです。

個人店の店主である私であれば、たとえば、通販の業者から「当社で販売した枠を貴店に持ち込んでフィッティングとレンズを入れてもらうというお客様を紹介したいのですが、当社との提携店になってもらえませんでしょうか。 貴店ではレンズ代だけでも売り上げが増えるから損な話ではないでしょう」と、と、もちかけられたとしても、それには応じません。

たとえば、サイズ的にそのかたにうまく合っているのかどうかも分かりませんし、そのかたのお顔にうまく合わせられる枠であるかどうか、そのかたに合う度数のレンズを入れるのに適した枠であるかどうかもわかりませんから。

そういう通販業者と提携するリアル店舗は、そこにいたるプロセスや技術的な点はなんであれ、結局プラスアルファの売り上げになればいいじゃないか、という商売本位の店ではないかな、というのが私の受ける感想です。

それと、
1)の例の中で、通販で買う場合には、購入の時点でのフィッティングがないので好ましくないのは当然ですが、通販以外の手段で買う場合においても、そのときに調整をしてもらって掛けごこちの点で問題がないかどうかを体感して から買うべきなのに、それをせずに買ってしまうことがほとんどだし、販売する側も枠のみを販売する場合でも必ずフィッティングをして、装用状態において光学的物理的に無理がないかどうかを確認してから販売するようにしないといけません。 また、枠のフィッティングに関する技術料は、レンズ代金にではなく、枠の代金に含まれているはずです。

しかし、実際には、メガネが本業ではない雑貨店が枠のみを販売するときに、フィッティングはしないのが普通ですし、そうでなくてメガネ店の専門店であっても、ほとんどの場合、フィッティングをせずにそのまま販売します。

その理由は、フィッティングをしても、しなくても、ユーザーに売る価格は同じであり、フィッティングをしても業者に何の得もないから、ということと、

それに加えて、メガネフレームの主要なフィッティングは、レンズ加工後のお渡しのときにするのではなく、 レンズを入れる前にすませておくべきものである、という基本的なことの認識が欠如しているメガネ屋が非常に多い、ということもあるでしょう。

そして、通販や出張販売でメガネを売る業者の場合には、販売の時点でのフィッティングという責任感もないし、ましてや、自分のフィッティングの技術に確信もプライドも持っていません。
(特に、リアル店舗を持たずに通販だけしている業者はメガネのフィッティングのことなど、技術も知識もないでしょう)

もしそういう業者に、フィッティングについての確信があるのなら、通販や出張販売などしないし、リアル店舗で枠のみを販売するときには、きちんとフィッティングをするはずです。

しかし、日本も含めて世界中で、メガネ屋で枠のみを販売するときに、フィッティングをして渡すというメガネ屋は、恐らく全体の1%もないのではないかと、私はこれまでの経験から推測します。

なぜなら、これまでに私は、他店購入の新品枠を持ち込まれて、フィッティングをしてあるのを見たことが一度も無いし、パソコン通信での私の仲間のメガネ屋さんも、同じことを言っています。

この事実は、世界中のメガネ屋のほとんどが、実は「良心的な技術者」なのではなく、本質的には営利本位の商人なのである、ということの証左であるということです。

(もちろんですが、通販メガネ店の人間や、出張販売をするメガネ屋も、良心的な技術者ではありません)

なお、たとえば当店の場合、枠のみを販売したときには、下記のような、「お願い」 を、そのメガネに添えてお渡しています。

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レンズを入れていただくお店のかたへのお願い

(      )年(   )月(    )日
メガネのアイトピア 店主
住所 ・・・・・・・・・・・・・
TEL ・・・・・・・・・・・・・
mail ・・・・・・・・・・・・・

このたび私どもで販売させていただきました(    )様のメガネフレーム(             )にレンズを入れていただくメガネ店のかたに、下記の点をお願いします。

(A)レンズ入れ加工について

フルリム枠やハーフリム枠の場合には、レンズに強すぎるひずみが入らないように、ひずみ計でチェックをしながら、レンズを入れていただくのが良いと思います。
差し出がましいことですが、もし貴店にてひずみ計をお使いでないのであれば、この機会にサンニシムラなどからそれを入手されて、レンズのひずみをチェックしながらレンズ入れをしていただくと、レンズひずみによる眼精疲労や 見えにくさを防ぐことができますので、良いことではないかと思います。

その他(

(B)フィッティングについて

フレームのフィッティングは可能な限り既にすませてありますが、もしもレンズ加工により、フロントのそり具合や腕の角度などが変化してしまった場合には、当店でのフィッティングによって定まった下記の寸法を、 再現していただくとよいかと存じます。

左右の蝶番の間隔(    )mm
*フロントのそり具合が変ると、これが変ってしまいます。

メガネを左側から見て、両腕の屈折点のところの高さにおいて、

左腕の屈折点の方が、約(    )mm( 上がっている ・ 下がっている )

左蝶番ねじの頭の中央から右腕のモダンの先までの長さは(    )mm

右蝶番ねじの頭の中央から左腕のモダンの先までの長さは(    )mm

その他(

そして、当店でのフィッティングが不十分なものであると、貴店が判断されました場合や、フィッティング状態に対するお客様のご不満が出た場合には、ご面倒ですが貴店にて修正のフィッティングをしていただくか、あるいは、お客様に、再度当店におこしいただくように 言っていただくか、のどちらかでお願いいたします。

以上、私どもの共通の大事なお客様が、メガネを快適にお使いいただくためによろしくご協力をお願いいたします。

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次に、賢明ではない購入方法のうちの、2)の場合ですが、

この場合は、たとえ地元にあったそのチェーンの店がなくなったとしても、遠方の同じ経営の店までアフターケアーを受けに行く覚悟があるのならその有名店で買われるのもよいと思います。

しかし、たとえば、自分のいる町に、全国的に有名なA店があるとして、たとえそこが閉めてしまったとしても、電車で一駅の隣の町にも同じ名前のA店があるから安心だ、と思っていても、その隣の町の支店も閉めてしまって、そのチェーンのA店に行くのは、 電話で40分もかかる、というようなことも起こりえます。

なお、もちろんですが、地元にある個人経営の店であっても、不景気や、後継者がいない、などのために廃業をしてしまうリスクがなくもないのですが、地元に最近できた有名チェーンの支店よりも、今後「スクラップ」になる確率は低いと言えるのではないでしょうか。

それから、3)の場合も、
アフターの調整も、電車に乗ってその遠くにある店まで行き、地元の店には迷惑をかけない、という方針を貫かれるのであれば3)も悪くはないと思います。

それと、少し特殊なメガネで、
少々遠方でも、その遠方の店でなければ、機能的に自分がうまく使用できるメガネが購入できない、というのであれば、遠方の店でメガネをお求めになるのは、やむを得ないことだと思います。

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