プリヴェAG(株)の代理人
田中克幸弁護士からの警告書
2014.6.3に、
ハズキルーペ、ハズキルーペ5の発売元であるプリヴェAG(株)の代理人で、
東京靖和総合法律事務所の代表者である田中克幸弁護士から、
私に宛てて内容証明で警告書が来た。
その趣旨は
「このネットサイトの内容の一部(例示あり)に
プリヴェAG社に対する偽計業務妨害となる記述があるので、
このサイトの全部とこれに関するすべてのアーカイブサイトを10日以内に削除せよ。
さもなくば、裁判所に民事の損害賠償請求の訴訟を提起し、
警察には偽計業務妨害として刑事告訴をする」
というものである。
しかし、私はこのサイトに自分が書いた記述の内容において、
偽計業務妨害に相当するような違法性はどこにも無いものと認識している。
(このサイトの初出は2012年の1月であるが、それから本文は一度も更新していない)
また、一部の不正(だと警告者がみなす)記述だけを削除(あるいは修正)せよというのなら、
まあ話の筋としては通るが、このサイトの全文を削除せよというのは、腑に落ちないことである。
ゆえに私は今回の田中弁護士からの脅迫的な削除要求には応じない。
そして、田中弁護士からの警告書に示してあった
「偽計業務妨害にあたる点」の中からいくつかをここに引用し
(警告書の全文を転載すると、著作権法でウンヌンと言われるかもしれないので、
同法上許容される「自分の論を示す上において
最低限必要な原著書からの原文のままの一部引用」にとどめる)、
それに対する私の回答というか、意見を書く。
なお、以下の記述における《 》内の文章は、
当該警告書から原文のまま引用したものである。
また、以下の文において「ハズキルーペ」あるいは「ハズキ」と書いてあるのは、
新製品のハズキルーペ5ではなく、従来型の大きめのハズキルーペ
(2013年末以前に販売されていたハズキルーペ)のことである。
岡本隆博
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警告書の内容の一部と、
それに対する私からのコメント
岡本隆博
「これは比較広告だ」という警告
《本ウエブサイトは、依頼会社の商品であるハズキルーペの批判を行った上で
貴店の商品購入を促す内容となっており、
いわゆる比較広告の商品購入を促す内容となっており、
いわゆる比較広告の一種に該当します。
比較広告に関しては、消費者庁がガイドラインを公表しており、
適正な比較広告の要件として、
(1)比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること。
(2)実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること。
(3)比較の方法が公正であることのすべてを満たすことが必要です。》
私はこのサイトにおいてハズキルーペの長所も述べ、
ありえる問題点は指摘し、改善提案などをしたわけです。
それを批判だといわれるのは私の本意ではありません。
だって、
「こういうふうに前もって2.5Dの既製老眼鏡を使ってみて、
それで問題がなければ、ハズキでも不満が出なく使える可能性が高い」
なんていうことまで書いて、
ハズキルーペを使用して不満を感じる人の割合を減らそうということ、
すなわち、ハズキに対する顧客満足の率を高めるための方法まで、
私はこのサイトで述べているのですから、悪意を持ってハズキを
中傷しようという意図などはないことは、十分ご理解いただけると思うのです。
そして、このサイトが、
我々が作るべきルーペメガネとの比較広告であるという
田中弁護士の見解も私には理解しがたいものです。
私はこのサイトにおいて、既製老眼鏡とハズキの比較はしましたが、
ハズキとマイルーペメガネの比較はしていないのです。
なぜなら、我々のマイルーペメガネは既にできあがったものではなく、
個人対応のメガネとして、それを要望されるかたの眼を測ったり、
ご希望の枠を選んでいただいてフィッティングしたり、
そこにこれもまた個別にいろんな加工方法でレンズを削って入れる、
というのもです。
ですので、規格大量生産品であるハズキルーペと、
個別に製作調製するマイルーペメガネを
同じ基準でもって比較をすることは土台無理なわけです。
たとえば、レンズの質はどちらが上か?なんて比較は無理です。
個々のメガネ店でそのつど、どういうレンズを使うかが分かりませんから。
レンズについてあえていえば、
我々が使うレンズは「すべて」と言ってよいくらい、
「ハードコート」の上から、
「通常の眼鏡にかかっている水準のマルチコート」がかかっていますから、
表面反射の少なさから言えば、ハズキルーペよりも上だといえます。
これなど、数値をわざわざ持ち出さなくとも、
レンズ表面で反射している天井の蛍光灯の映像の強さを比べれば、
専門家でなくとも一目瞭然だといえます。
(なお、ハズキルーペ5の使用説明書には、レンズの表面反射率の記載はありません)
また、どちらが重量が軽くて装用における負担が少ないか、
という比較もできなくはないでしょうが、それはフェアーではありません。
その理由は、
マイルーペメガネが個々に違う重量だから、ということもありますが、
昨今のメガネは一昔前とは様変わりしており、
レンズやフレームの素材や構造の進歩、
小型メガネが主流になっていること、
などの理由で、
ずいぶん軽く仕上がっていて、20g未満で仕上がるものが多く、
その平均重量は、というと、
どう転んでも20g台の前半を上回ることはないでしょう。
たとえば、シルエット社のミニマルのような、
軽くて細いブリッジと腕で構成されたふちなしメガネであれば
レンズを含めても10g前後でできるのですが、
そういうものと30gを超えるハズキの重さを比較する、なんてのは、
これは子供と大人の体重を比較するようなもので、
元より意味のないことです。
また、フレームはどちらが堅牢か?などという比較も当然無理です。
我々のマイルーペメガネでは、どんなフレームを使うかは未定なのですから。
また、両者を使用しているユーザーを、どちらも100人無作為に選んで、
その満足度を調査する、というのも無理です。
(その理由は、本稿の最後の方の記述をお読みになればおわかりいただけます)
しかしながら、
警告者のご意思やご指摘を尊重して、
あえて両者を比較をしてみましょうか。
そうすると、
(少なくともこのサイトがアップされた時点、すなわち、
ハズキルーペ5がまだ発売されていなかった時点では)
下記のようなことがいえます。
* |
なお、どういうわけか警告書には、 |
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「いまはもう旧ハズキよりも軽くて小型のハズキルーペ5が出ており、 |
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このサイトの記述にはそぐわない点がある。ハズキルーペ5を中心に論評をするべきではないか」 |
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というようなことは、まったく書いてありません。 |
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その理由について私自身の推察はありますが、ここでは書きません。 |
ハズキとマイルーペメガネをあえて比べてみれば
1.
ハズキでは
両眼で手元のものを見るための度数が
両眼同じ度数で一種類しかないので、
ものがはっきり見える奥行き距離の範囲
(専門用語で明視域と言う)
が、同一人物にとっては一種類しかない。
すなわち、
ハズキではハッキリ見える視距離に見るものを持っていかないといけない。
もちろん、
それが自分が希望する明視域と合っている人も当然いるわけだが、
希望の明視域とは少しずれる人もいるだろう。
(高年齢者になればなるほど調節力が弱くなるので
明視域の長さ(奥行き)は短くなっていきます)
ところが
マイルーペメガネでは、度数を自由に設定できるので、
本人が望む視距離でものを見ることができる。
もっとも、
ハズキを買う前に店頭で
自分がハズキを掛けた場合の明視域や見え方などを確認してから買うのであれば、
使用開始後もこの点における不満は生じにくいだろうが、
ただ、ためし見のときに十分に時間をとって見たのでなければ、
いざ使ってみると自分がよく使う視距離においては調節
(これも眼光学の専門用語ですが)
にやや無理があり、
そのために眼精疲労(この場合は専門用語で調節性眼精疲労と言う)が生じる恐れは残ります。
それは別としても、
ハズキを通販で実物を見ないで買った、とか、
ギフトとしてもらった、などというのであれば、
ハズキを使用してみての明視域が
自分の使用目的に合った明視域とはズレるので
使用における満足度がいまいち、ということは十分ありえます。
もっと実際に即したことを言えば、
我々が個々のユーザーの要望に応じて明視域を設定したメガネを調製した場合でさえ、
ときには後日に
「このメガネは、自分が一番良く見たい距離と少し違うので、何とかならないか」
といったクレームが来ることがあるのです。
いわんや、2.5Dしかない、ハズキにおいておや……。
また、単焦点では明視域に限度があるとして、中近両用にしようとしても、
ハズキのような既製品では、個々のユーザーの瞳孔距離(アイポイント位置)と
レンズのアイポイント設定位置を適合させるということが無理である。
しかし、個別対応のマイルーペメガネなら、それも可能である。
そして、普通の中近両用メガネよりも、より大きく見たい、
というのなら、適度なベイスインプリズムを負荷すればよい。
こういうことは、データとか根拠(エビデンス)とかいうことの以前の、
我々眼鏡技術者にとってはごく基本的常識的な知見であり事実だといえます。
2.
左右の眼の度数が違う(専門用語で不同視と言う)人で、
裸眼でルーペメガネを使う場合には、
ハズキでは左右のピントの位置に違いが出てくるが、
マイルーペメガネでは、それをちゃんと一致させることができる。
この場合でハズキとマイルーペメガネとを比べると、
たとえば、どちらが立体感をより感じやすいか、ということでいえば、
当然ながら、左右同等の視力で見えるマイルーペメガネのほうです。
立体視機能と言うのは、左右での視力に差が出れば出るほど、
そして、網膜におけるの結像の中心が
黄斑部中心小かから遠ざかれば遠ざかるほど、低下するものですが、
マイルーペメガネなら、不同視眼の場合、
矯正視力不同の眼でなければ左右眼の視力を揃えることはもちろん、
場合によっては装用者に合ったプリズム矯正により、
網膜の結像の中心を黄斑部中心小かに近づけることもできるのですから。
3.
裸眼にルーペメガネを使う場合に、
ハズキでは乱視矯正ができないので、
乱視がそこそこある人では網膜像の鮮明さが劣ってくるが、
マイルーペメガネでは、乱視も矯正できるので、そういう問題点は無い。
4.
ハズキではOCD(光学中心の間隔)は48mmに固定されているが、
マイルーペメガネでは、それを自由に設定できる。
空間視の違和感の少なさという点では、
OCDは使用者の近見PDよりも狭い、レンズ上の
アイポイント(同じ人でも角膜頂点間距離により変わる)
にあわせるのがよいが、
より大きく見たいのなら、OCDは狭くすればするほど大きく見える。
ただしそのようにすればするほどベイスインプリズムのせいで
フラットなものが膨らんで見えたりする「空間視の違和感」が増える。
OCDをどう設定するのかということは、
上記の要素のほかにも、その使用者の輻輳力、眼位、視距離なども考えにあわせて、
装用テストもして(←通販では、これは無理)個人対応で決めるのがよいが、
マイルーペメガネなら、それが可能である。
また、たとえば、
A)左右とも+2Dの調製老眼鏡(OCDは本人の近見PDと同じ)
にハズキ(+2.5D、OCDが48)を重ね掛けして
かなりの近距離のものを大きく見る
B)裸眼に+4.5Dで、OCD48とか46とかで作った
マイルーペメガネ単独で、同様に近距離で大きく見る
この双方を比較すると
Bのほうが、負荷されるベイスインプリズムは
前者の重ね掛けの場合の2倍程度に増えるということと、
鼻メガネにすれば、2.5Dのハズキだけでなく
4.5D全体のVDを長めに設定することができるという点で、
AよりもBの方が、より強い、像拡大効果が得られるわけである。
5.
人によっては、斜位があって、
それをプリズム矯正したほうがしないよりもはるかにも見やすい。
特に上下方向の斜位矯正は顕著な見易さを得られる。
(私の長年の検眼の経験からすれば、斜位矯正の必要がある人は、日本人のうちでおよそ10%前後くらいか)
一人前の眼鏡技術者で、上下斜位の矯正の良い効果を知らない人はまずいないし、
プリヴェAG社の研究者の人も優秀なかたであるから、それを知っておられると思う。
ハズキではもちろん上下斜位矯正ができない。マイルーペメガネならできる。
なお、
メガネ屋や眼科の検査員の中には
斜位矯正の必要性やその実際効果を知らない低レベルの人も多いが、
我々研究会の会員は、
みなさん長年にわたって私と一緒に研鑽を積んできた
優秀な眼鏡技術者であるから、
斜位の矯正はもちろんできるのである。
6.
マイルーペメガネなら視野の広さも選べる。
だから、無駄に広いレンズで、
周辺部で糸巻型の歪曲(ハズキは凸レンズなので歪曲は樽型ではなく糸巻き型)を感じてしまうということもない。
7.
ハズキではレンズのそり角の修正ができないが、
マイルーペメガネなら、それができる。
もっとも、+2.5D程度であれば、ハズキのそり角でも特に問題はなかろうが、
近見用眼鏡(双眼ルーペでも)においては、視距離が短くなればなるほど、
度数が強くなればなるほどレンズは互いに少し輻輳するのが好ましいが、
マイルーペメガネでは、そういうそり角の調整が可能なのである。
8.
ハズキは近見専用なのであるから、
もう少しレンズの前傾角を強くしたほうがよいと思うがその調整は非常に難しそうである。
ただこれも、度数がこの程度ならまあ実際の使用において問題は無いだろう。
マイルーペメガネでは、強い度数で作る場合もあるので、
前傾角を強めにしたほうがよいこともあるが、
もちろん、そういう調整は可能である。
以上の1〜8をあわせて述べるならば、
マイルーペメガネでは、度数やレンズの装用状態は無限といってよいほどにありえるので、
度数が一種類しかないハズキよりも相当に的確に
個人対応の手元用のメガネ型式の光学器具(ルーペメガネ)が作れる、ということになるのである。
もしも、このことに異議を唱える眼鏡光学(眼光学 + レンズ光学)の専門家がどこかにおられるのであれば、
どこにおられるのかをぜひ教えていただきたいと思う。
9.
マイルーペメガネであれば、スタイルの選択肢が大きい。
もっとも、ハズキのスタイルもステキなものだから、それを好む人も多いと思うが、
選択肢の広さという点では、マイルーペメガネの方が勝っているといえよう。
10.
重さの点では、常に必ずマイルーペメガネの方が軽く作れる……
とまでは言えないが、最近のメガネは枠も軽いし、レンズも軽いので、
特に大きいものでなければ、マイルーペメガネは多少重くても20g台で作ることができる。
ハズキはエラストマー樹脂の鼻当てがついたもので、32g程度である。
11.
ハズキは通販、ギフトなど、フィッティングなしで入手することもあるし、
眼鏡技術者がいない販売店で販売されることもあるので、
それらの場合には、装用状態のチェックや修正などは望むべくも無い。
もっとも、メガネ店で販売されるハズキであれば、一応フィッティングは
なされるであろうが、実際のところフィッティングの上手なメガネ店の
スタッフは少ない。
(これについては当方が主宰する「メガネフィッティング調整研究会」
のサイトをご参照されたし)
ところが、マイルーペメガネを扱う店の技術者は、私と一緒に長年研鑽を積んできた
一騎当千の人間ばかりである。
ざっとまあ、以上のようなことになるのですが、
こんな比較は、
わざわざ我々の公式サイトに得意げに書くまでのことでもないので、
書かなかったわけです。
規格大量生産品であるハズキと
個別調製のメガネを比較して優劣を論じるのは、
もとより、おかしな比較だといえます。
特に光学的には比較することそれ自体に無理があると思うのですが、
田中克幸先生が警告書のなかで「比較」「比較」とおっしゃるので、
ここにあえて比較をしてみた次第です。
たとえて言えば、お花見の弁当として持っていくものの比較で、
コンビニのおにぎりと、腕利きの料理人が個人の好みにあわせて作る弁当との比較、
なんていうのは、ヘンな比較ですよね。
より満足度が高いのは後者のほうでしょうが、もちろん高くつきます。
前者であれば手軽で安いです。比べるまでもないことです。
そんなのを比較すること自体がおかしいですよね。
でも、コンビニのおにぎりですませるのであれば、
どこのコンビニのおにぎりが良いか、という比較なら、無意味ではないでしょう。
それと同様に、ハズキと既製老眼鏡となら、
その比較は意義があると私は考えましたから、
このサイトにその比較を書いたわけです。
そして、このサイトを読んでいただければおわかりになると思いますが、
我々は「ハズキルーぺを買わずに我々のマイルーペメガネを買ってください」
なんて、全然言っていません。
双眼ルーペや、単眼ルーペや、普通の老眼鏡では、
なんらかの点で満足できないかたは、我々のマイルーペを試してみられたらいかがですか?
というのが我々のスタンスです。
それはこのサイトの「個人対応のルーペメガネ」の
項の記述でおわかりいただけると思います。
さきほどのたとえで言えば、
去年はコンビニのおにぎりで花見に行って、味気なかった。
だから今年は凝った花見弁当でいきたい、とおっしゃるのなら、
料理人が個人対応でつくるお弁当がありますから、
いかがでしょうか、ということです。
ただし、料理人が作った弁当の場合であっても、
誰にでも100%満足のものができるとは限らないわけです。
それはメガネでも同じです。
また逆に、昼飯に、コンビニおにぎりでもまったく不満を感じない人もいるだろうし、
手元のものを見るのにハズキで100%満足している人も、
もちろん大勢いるでしょう。
1.6倍という倍率はフェアーな表示か
それから、田中弁護士は
《「期待したほどの拡大効果がない」》と私が自分の意見を述べたことについて
「客観性が無い」旨の疑義を呈しておられますが、では、この際、逆に私からお尋ねしましょう。
+2.5Dのハズキルーペは、
1.6倍という倍率表示がされていますよね。
それで、どのようにハズキルーペを使えば
実際に1.6倍に見えるのでしょうか? |
それをぜひ教えていただきたいものです。
ルーペにおける倍率は、
同じルーペでも、眼とレンズの距離、レンズと視対象物との距離、
レンズのカーブ、レンズの中心厚、レンズ素材の屈折率など
によって変わるものであり、
(網膜像倍率は、そういう要素を入れないと計算できません)、
一般的なルーペの計算式〈D値を4で割って、それに1を加える〉から算出される
「2.5Dなら1.6倍」というのは、
レンズを眼からかなりの距離まで離して、
しかもレンズと視対象物をぼけない範囲まで遠ざけて
めいっぱい大きく見た場合の(最大の)倍率を、
およそ示すいわば便宜的なものにすぎません。
(まあ、商品のスペックを示す数値ですから、一番良い条件での値を書くわけです)
たとえば、+2.5Dですと、
そういう便宜的な数値ではなく、
より正確さが得られる網膜像拡大率の計算式で数値を求めますと、
(仮に8カーブで中心厚を5mmとするが、これらは多少変わっても結果はほとんど同じ。
眼軸長の個人的相違も、結果にほとんど影響しません)
網膜像倍率が1.6になるのは、
VD(角膜頂点間距離:眼の表面とレンズの間隔)が145mm前後になる場合であり、
仮にハズキでVDをせいぜい長くして、60mmまで離すことができるとしても、
単眼視による網膜像倍率は1.193倍にしかなりません。
|

上記のシェープ係数とパワーファクターを乗じたものが
「網膜像拡大率」になる。
レンズと視対象物との距離は、
レンズの焦点距離にあわせて
精一杯大きく見るということを前提にしているので、
その距離はこの式には変数として入れてはいない。
ということは、この式で算出される数値は、最大限の数値
であると理解していただければよい。 |
|
もっとも、ハズキの場合は、
普通の老眼とは違って、
ベイスインプリズム負荷による脳内画像の拡大効果
(この場合は網膜像の拡大ではありません)
が加わるので、もう少し大きく見えます。
そして、
鼻メガネにするほうが拡大効果は増えますが、
それでも倍率はせいぜい1.3倍程度です。
ただし、
単なる2.5Dの老眼鏡よりもハズキで見るほうがより大きめに見える
(OCDが60くらいの+2.5Dの既製老眼鏡との拡大効果の差)
ということは、たいていの人にはわかりますし、
そのことがハズキが人気商品になったことの一因でもあります。
それについては既にこのサイトで私は述べましたし、
同じ度数の既製老眼鏡に対するハズキのアドバンテージはそこにあるのですが、
それでも、ハズキを通して見る実感拡大率はせいぜい1.3倍くらいしかないということを、
ハズキの発売元の研究者が知らないとは考えにくいです。
プリヴェAGの経営者も知っておられるのかどうか
ということまで私にはわかりませんが、
いずれにしても、この倍率表示は、
少なくともメガネ型式のハズキルーペにおいては、
ユーザーに実際以上の期待を与える
(ことを意図してのこの数値での倍率表示かもしれません)
ところの、
一種の誇大表示だと言ってもさしつかえないと、私は思っています。
これが、単眼ルーペであれば、
そういう使用距離条件にして使えば、
たしかにほぼその倍率で見えるのですから、
2.5Dのルーペを、一般的なルーペ倍率の簡易計算式で計算して、
1.6倍と表示しても問題は無いでしょうが、
VD145mmというのはありえないところの
メガネ型式のルーペであるハズキでは、
消費者に誤った認識(期待感)を与える不適切な倍率表示である
といってもさしつかえないのではないでしょうか。
ハズキ(+2.5D)における倍率を「1.6倍」と表示するという行為は、
自社の商品を買って使っていただくお客様に対する
愛情や尊重心がある行為なのだろうか、
と私は疑問を抱かざるを得ません。
ハズキはパソコンにも好適?
ほかにも、
《ハズキルーペの重さが鼻先にかかってくることをうっとおしく感じる人もいるでしょう》
という私の推測が、何と比較してのことだか書いていないのがいけない、とのご指摘です。
でも、そんなことをいちいち書く必要がありますか?
普通のメガネや既製老眼鏡と比較して重いと言っているに決まっているでしょう。
いま、メガネの重さは昔に比べて非常に軽くなっています。
その平均の重量はどのくらいなのか、貴殿はご存知なのでしょうか。
しかも、
鼻先にずらしてかけることを推奨していましたよね、従来型のハズキは。
そうなると、鼻骨ではなく鼻の下半分を占める軟骨に重さがかかってきますから、
そりゃあ、うっとおしく感じる人が増えても何の不思議もありません。
(ハズキルーペ5では使用説明書に鼻先まで遠ざけて使う使い方を
書いていないのですが、それはこの理由もあるのではありませんか)
また、
ハズキでパソコンを見て
《自分の本来の視距離よりもかなり近づかないとダメ、ということになり、「こんなはずではなかった」》
という人もいるだろう、と、私がこのサイトに書いたことについても、
比較の対象を示していない、とのことですが、
そんな比較まで書かないと、わかりませんか?
たとえば、
パソコン用のメガネがほしいということで
メガネ店でメガネを合わせてもらえば、
自分がパソコン画面を見る距離を告げて、
そこにパソコンや視力表などを置いて、
眼のピントが楽に合ってはっきりと見えるメガネを
作ってもらえるわけです。
あるいは、そこまでしなくとも、
いろんな度数がある既製老眼鏡であれば、
購入時にパソコン画面の距離に対して、
一番見やすい度数のものを選べるのです。
だからパソコンを見て自分の見たい距離でピントが合わない、
なんてことにはなりませんよね、たとえ100円の老眼鏡でも。
ところがハズキではそうはいきません。
たとえばほとんど正視の人であれば、
ハズキをかけますと遠点が
(計算上では40cmですが)
実際にはもう少し近くで見ることが多くなります。
パソコンを見るのに、
その距離でよいという人もいなくはないでしょうが、
それでは自分が見る距離よりも近すぎるという人も多いです、
というか、
長年にわたってパソコン用のメガネを検眼調製してきた私の経験からして、
40cm以内の視距離でパソコンを見る人はごく一部であり、
50〜70cmくらいで見る人が多いですね。
その50〜70cmの視距離でハズキを使ってはっきり見えるのは、
+1D近辺の遠視
(老眼とは別ものです。田中先生は老眼と遠視の違いをご存知ですよね)
の人が裸眼でハズキを使った場合のみであり、
・正視近辺の人が裸眼でハズキを使った場合、
・近視の人が裸眼でハズキを使った場合、
・屈折異常がある人が遠見用(遠視矯正用、ではない)眼鏡をかけてそれにハズキを重ねがけした場合、
・近見用(近視矯正用、ではない)メガネをかけてハズキを重ねがけした場合、
・また、遠近両用メガネをかけて、それにハズキを重ねがけした場合、
いずれの場合も、
50〜70cmの視距離においては
ものはぼやけてしか見えません。
これも、データだとかエビデンスとかいう以前の、
眼光学での基本知見といえます。
メガネ屋で検眼もしている人で、
このことが理解できない人がいるということは、
まずありえないでしょう。(よほど低レベルの人は別として)
それと、新製品のハズキルーペ5では、
+1.3Dのパソコン用がありますが、
なぜそれが発売商品化されたのかという理由として、
「(従来の2.5Dの)ハズキではパソコン画面を見るには度数が強すぎる(焦点距離が短すぎる)」
というユーザーの声が多かったからだと私は推察します。
それ以外に、
ハズキルーペ5に+1.3Dが出たことの理由として、
どんな理由があるのでしょうか。
匿名ではないユーザーがハズキに対して
また、田中弁護士は、
私が匿名投稿のネットの記事における
ハズキへの批評を取り上げたことに対する
警告も書いておられました。
当然ながら私は、
「匿名投稿だから真偽のほどは不明だが」、
と書いておいたのですが、
それでもご不満のようです。
ではここで匿名ではないユーザーにおけるハズキ評をひとつご披露しましょう。
以下の------------------------内は、
私が仲間のメガネ屋さんたちに昨年9月にMLで送ったメールです。
(田中弁護士はパソコン関連は得意分野だとのことですから、
MLとは何か、という説明は不要でしょう)
---------------------------------------------------------------------------2
みなさんに
岡本
ルーペメガネ研究会の代表である私あてにメールがきました。
-----Original Message-----
From: ○○ ○○
Sent: Thursday, September 05, 2013 12:14 PM
To: DQA02134@nifty.ne.jp
Subject: ルーペメガネについて
私は9月28日で満79歳です。緑内障で8月5日久留米大学で手術をおこないましたが、
手術前より視力が落ち現在は全ての物体がぼやけてかすんで見え、視力は0,1位です。
ハズキルーペも、もっていますがあまり役にたっていません。
単一メガネ(拡大鏡)で近くの物がはっきり(確実に)みえる拡大境眼鏡があれば教えて
ください。
********
そこで私は下記の返事を出しました。
********
岡本です
お問い合わせの件ですが、矯正視力が0.1くらいしか出ないのであれば、
ルーペメガネでも、ものを鮮明に見るのは難しいのですが、
かなり近くにものを見ることで、ある程度は役にたつルーペメガネができるかもしれません。
いずれにしても、実際にお客様の目の検査をしてみないとハッキリしたことはいえません。
○○様のご住所はどちらのほうでしょうか。
近隣に私が知っているメガネ店があれば、ご紹介いたします。
********
岡本からみなさんに
このかたの近隣のメガネ店のなかで、認定眼鏡士のいる店に手紙かメールを出して、
片目で、視距離10センチくらいで見る超強度の近用メガネの試みを進言してみるつもりです。
このかたの場合、それしか可能性はないと思います。
それにしても、このかたは、その視力でメールは打てるのですね……。
---------------------------------------------------------------------
上記のメール文の中の○○で表示してあるところは、
相談者の本名らしき名前が平かなで書いてあったのですが、
これは個人情報になるので、ここでは伏せました。
上記のメールにおける私からの返事に対する相談者からの返事は来なかったので、
この人がこのあとどうされたのかは不明ですが、
もし、田中弁護士が
「このメールは捏造ではないか」とおっしゃるのであれば、
私のパソコンを調べに来ていただいたらよいです。
このかたからのメールも残っています。
田中弁護士はパソコンに詳しいそうですから、
お調べになれば、捏造かどうか、わかるでしょう。
もっとも、公表物ではないこういう仲間うちの
MLメールで捏造などする意味もないわけですが。
それはともかくとして、
このかたの場合、おそらく「視力が0.1」というのは、矯正視力がそうなのでしょう。
であれば、ハズキで満足がいかないのは当然ですが、
普通の眼科やメガネ店処方での近用眼鏡でもご満足はいかないでしょう。
それで、もしこのかたの場合、
ハズキを試し見をすることなく通販で買われたとか、
人に頼んで買ってきてもらったとかで、
試し見をすることなく購入して、実際に使ってみたら期待はずれだった、ということであれば、
このかたに1万円前後のお金の無駄使いと、
もともと無理な眼なのになまじっかな期待をさせてしまった宣伝は罪だと思います。
警告書には、ほかにもいくつか、
私が述べた意見について「何と比較してのことだか不明である」という旨のことが書いてありましたが、
それらはあくまでも、
たとえば二重盲験法だとかくじびきテストだとかの
厳正な比較実験の結果ではなくて
通常のメガネなどと比較しての私の感想や意見であり、
私の記述の文章を読めば、
それはあくまでも私自身の知識や経験からくる意見であって、
何らかのおおがかりな比較実験による結果を示すものではないとわかるように書いてあるのです。
もしも私が自分の感想や意見に過ぎないことを、
さも汎性を持つ公知の事実だとか、
エビデンスや調査によるデータが存在しているかのような書き方をしたのであれば、
それは問題でしょうが、
個人の意見を意見だと読み手にわかるようにして書くのが、
何か問題があるのでしょうか。
ある商品に対して自分が感じたことを、
自分の意見として、ほめるべきこともそうでないことも
いろいろと書いて、何が悪いのでしょう。
メガネとの比較はダメ?
なお、もしもプリヴェAG社のかたが、
ハズキはメガネではなくルーペなのだから、
いかなるメガネとも比較してはいけない、
と、もしおっしゃるのなら、
それは違うと私は言いたいです。
まず、
ハズキと単眼ルーペとを実効倍率で比較するのは適切ではないでしょう。
たとえ度数が同じであっても、使い方が、まったく違いますから。
また、その両者の使い勝手を比較するのもあまり意味はありません。
メガネ型の方が両手が使える分、便利であることは当然ですから。
ではハズキよりもずっと強い度数のヘッドバンド型の双眼ルーペと、
ハズキとの比較ならどうでしょうか。
まあ、その比較をしても悪くは無いでしょうが、
でもそんなの、結論は明白ですよね。
前者の方がものが大きく見えるが視野が狭い、に決まっていますよね。
しかし、既製老眼鏡との比較なら、どうでしょうか。
実際のところ、ハズキを買おうか、
既製老眼鏡にしようかと迷う人もいるでしょう。
だって、どちらも
メガネの形態で顔にかけて手元のものをはっきりと見たいという要望に
おいては共通しているわけですから。
(こういう推測を、断定でなく推測とわかる文章で書いてはいけないのでしょうか。
この程度のことでも調査データを示さないといけないのでしょうか。
世の中には、法律以前に「常識」があると私は思っています)
であれば、比較をする意味があります。
だから私はこのサイトでその比較もしたのですが、
もしもあの比較の内容にどこかおかしい点があれば、
どこが違うのかをご指摘いただければ幸いです。
《本ウエブサイトの内容は、……中略……不適正な比較広告です。
これを閲覧した一般消費者としては、
ハズキルーペよりも貴殿の商品が著しく優良であると誤認することになりますから、
依頼会社の業務を妨害します。》
ハズキよりもマイルーペメガネの方が著しく優良である、などという文言を、
私はこのサイトに書いたわけではありませんが、
もしも、仮に消費者がそう思ったのであれば、それは誤認なのでしょうか。
本稿の初めのほうで私は、ハズキとマイルーペメガネの比較を10項目挙げましたが、
あれをお読みいただいても、まだ、「それは誤認である」と田中先生はおっしゃりたいのでしょうか。
それは誤認ではなく正認……と言ってもおかしくはないのではありませんか。
ではお尋ねしましょう。
我々ルーペメガネ研究会の会員がお客様に個別対応で作るルーペメガネが、
もしもハズキよりも満足度が低いとすれば、どういう理由が考えられるでしょうか。
「ハズキよりもスタイルが劣る」そういう人はいるかもしれませんが、
しかしそれはメガネを使う前からわかっていることですから、
それなら初めからメガネの注文をしなければよいのです。
「ハズキよりも視野が狭い」。それも、買う前から分かっていることです。
「ものを見る大きさが足りない」。それはまずありえません。
なぜなら、手元のものを見るのに
ハッキリさだけではなく大きさも求める人であれば、
度数に応じたOCD(光学中心間距離)で装用テストをすれば、
ハズキの「+2.5DでOCD48mm」と比べての、
目的視距離のものを見た場合のはっきりさや大きさが、
ちゃんとわかるからです。
そして、警告書には書いてありませんでしたが、もし仮に
「ハズキとマイルーペメガネとの価格の比較について書いていないのはアンフェアーだ」
と田中弁護士が思っておられるのであれば、私は次のように言いましょう。
均一価格の安売り店ならともかく、
我々のような優秀な
(自分でいうのもおこがましいですが)
眼鏡技術者が個人対応で手間隙かけて造るルーペメガネ、
しかも、
他のメガネ店では、そういう宣伝さえしていない、特殊なルーペメガネを、
ハズキよりも安く造れると思うユーザーがはたして居るのでしょうか。
それと、もし価格の点で心配ならば、
メールか電話ででも、会員の店に問い合わせればよいのです。
これがもし我々のサイトに
「ハズキと同等の価格でルーペメガネを造ります」
とでも書いてあって、店へ行ってみて検眼をしてもらったらたら、
あなたの眼の場合は特別だとかなんだかんだ言われて、
ハズキよりもずいぶん高いものを買わされてしまった。
なんていうのであれば、そりゃあ悪徳商法だ言えるでしょうが、
もちろん、我々のサイトには、そういうずるいことは一切書いてありませんし、
我々の会員店の中には、そういうオトリ商法をする店はないと私は確信しています。
それは我々の会員店のホームページを見ていただいたらご確認いただけるでしょう。
異様な低価格で顧客を呼び込もうとしている店は一店もないはずです。
それと、もうひとつ言っておくならば、
このサイトの「ハズキルーペの課題」の項に、
私はメーカーさんに対していくつかの疑問点や提言を投げかけました。
そころがそれには一切答をせず、
いきなり「サイトの全文を削除せよ」という通告です。
そういうプリヴェAG(株)さんの姿勢を
ハズキのユーザーが知ったら、どう思うでしょうか。
ハズキを気にいってハズキを愛している人ほど、
悲しく思うのではないでしょうか。
ハズキのライバルは?
なお、この項の最後に、
ご参考までに申し上げておきましょう。
我々のこのサイトを見て
「あのサイトを見ました。
手元のものが大きく見えるハズキを買おうかと思っていましたが、やめます。
貴店で個別対応のルーペメガネを作ってほしいです」
と言って、我々の会員店を訪れる人が、
どれくらいおられると思いますか?
当店で、これまでに一人いたかな、
全然いなかったかな、という程度です。
(私ももう歳なので記憶が定かではありません。
すみません。でも、ゼロか一人か、どちらかだと思います)
当店は、
ネットチェーンの中のいろんな研究会の範疇の商品において、
どの研究会においても、売り上げはかなり良いほうです。
(商圏人口の違いが理由でしょう)
ですので、
このルーペメガネ研究会の中の他の会員店では、
マイルーペメガネのお客様はもっと少ないと思います。
実際、我々のML(パソコン通信)で、
マイルーペメガネが売れました、という報告を私は見た記憶もありませんが、
念のために、MLで会員のみなさんに
「過去にマイルーペメガネを求めて来店されたかたにそれを販売したことがありますか」
とたずねてみました。
質問から37時間経った、いま現在、
回答をくださったかたは22人(22店)おられるのですが、
マイルーペメガネを求めて来店されたかたに
それを販売したことがある、という回答はゼロでした。
それほどに、我々のこのサイトは顧客吸引力がない、というか、
商品の購買に結びついていないのです。(残念ながら)
すなわち、ハズキの見込み顧客を我々が奪って自陣に取り込んでいる、
などということは全く全くないのです。
なお、この会員のマイルーペメガネの販売実績については
メール回答の内容がそのとおりですし、それについて虚偽の申告を
した人もいないと思います。
なぜなら、質問の意図を私は会員のみなさんに言っていませんから、
売れたかどうかということについてウソの報告をすることは
非常に考えにくいわけです。
なんでしたら、当店へおこしください。
田中先生でもよいし、プリヴェAG社の営業のかたでもいいです。
私のパソコンのメールを見れば、そういう回答のメールが
たくさんきているとわかりますし、
あるいは、会員の店へ電話して、
ホントにマイルーペメガネが一本も売れていないのかどうかを確認されたらどうでしょうか。
田中先生であれば、自分は弁護士だと名乗れば、相手はうそは言わないでしょう。
(なお、本稿の末尾に【参考】として、
なぜマイルーペメガネの需要がないのかという私の推察分析を書いておきます)
我々のネットチェーン
(http://www.optnet.org/net-chain/)
には、いろんな研究会があり、
強度近視のウスカルメガネだとか、丸メガネだとかは、
当店には、かなりの人数のお客様がおこしになるのですが、
あいにく、マイルーペメガネを求めてご来店になるかたは、
ホントにめったにいらっしゃらないのです。
(でも、ハズキはものすごく売れるんですよね)
実際のところマイルーペメガネの売れ行きはそんな状態ですので、
我々のこのサイトの記述によって、ハズキの売り上げが上がることはあっても、
下がることはないと、私は思っています。
(ハズキへの絶賛といってよい箇所もあるでしょ)
とにかくそういうことですから、
ハズキのライバルは我々のマイルーペメガネではありません。
価格や機能において、ハズキのライバルはやはり既製老眼鏡でしょう。
特に、1万円に迫るような比較的高い価格で、
デザインを重視した軽量の既製老眼鏡が、
新製品の小型になったハズキルーペ5と強く競合しそうです。
そして、眼光学的には、
ハズキの人気の源泉を理解して、
OCDを従来よりもかなり短く設定した既製老眼鏡が今後増えるのなら、
それは国民(特に低所得の)にとっては悪いことではないでしょう。
もっとも、そうなると、
我々メガネ屋にとっては、
商売上はあまり歓迎できないことになりそうなのですが……(^^)
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【参考】 マイルーペメガネの顧客がほとんど皆無であることの理由
マイルーペメガネを求めて来店されるかたが
なぜめったにおられないのか、ということを考えてみます。
両手がフリーの状態で近距離のものを見たい人において
A)
手元のものを任意の距離でハッキリと見たいが大きさにはこだわらないという人は、
既製老眼鏡、個別調製の老眼鏡、遠近両用眼鏡、中近両用眼鏡などで用が足りる。
(老視を持つ人の大半は、これに属するでしょう)
B)
手元のものを特に大きく見たい(ハズキ程度の拡大率では足りない)が
視野の広さにはこだわらないという人は、
ヘッドバンド型のルーペなどの従来型の双眼ルーペで目的を果たせる。
C)
手元のものをはっきりと、そして普通の老眼鏡よりは大きめに、
しかも比較的広い視野で見たいと思う人は、
ハズキで、裸眼に使うか重ね掛けで使うか、そのどちらかでたいていは用が足りる。
(ただし、長時間の使用でも眼精疲労が生じないかどうかは、人によるだろう)
D)
上記のC)の要望があるにもかかわらず、
(1) |
ハズキでうまくいかなかった(明視域、像の鮮明さ、像の大きさ、眼の疲れなど)人で、 |
(2) |
たまたまネットサイトでマイルーペメガネを知った人で、 |
(3) |
しかも、この目的のためにそこそこの金額を負担してもよいという気になった人で、 |
(4) |
会員店へ行き易い地域に住んでいる人。 |
こういう人なら、マイルーペメガネの扱い店に来てくれるでしょうが、
この4つの条件をすべて満たせる人めったにいなくて、
これまでのところ、ほとんど皆無なわけです。
特に、(2)が特に満たされにくいわけです。
我々のサイトへのアクセスルートは非常に少ないですから。
まず、一般のかたで、
いきなり「マイルーペメガネ」とか「ルーペメガネ研究会」とか、
そんな、知られていない語彙で検索してくる人なんて、まあ、いないでしょう。
また、たとえば、
ハズキでうまくいかなかった人が、
改めて「ハズキルーペ」で検索をかけて、
そこで出てくる「ハズキルーペの課題」という記事のタイトルに目を留めて、
我々のサイトを訪れてくれる、という可能性はかなり少ないでしょう。
そして、もしその関門を突破したとしても、
(3)や(4)が満たされなければならないわけで、
(3)を満たすには、
「手元のものを見るのにはっきりさだけでなく、大きく見たい」
というニーズの強さがかなりのものでなければ、
ウン万円も出してマイルーペメガネを入手したいとは思わないでしょう。
はっきり見るだけなら、老眼鏡でことたりるのですし、
大きく見たいという欲求があった場合に、大きく見る手段としては
ハズキのように狭いOCDでベイスインプリズムを負荷する方法のほかに、
OCDは普通でも、度数を強くして視距離を短くすれば大きく見えるのですから、
そういう方法ですませる人もいるでしょう。
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【追記】
こういうブログが
ここまで書いて、その数日あとで、
私は下記のブログを見つけた。(2014.6.16現在)
http://blog.goo.ne.jp/toshimasanaka/e/11bcad382e091e62fd7f028a3ffc3463
http://blog.goo.ne.jp/toshimasanaka/e/96df43a9463d429bc400d9c72302ec3c
私のかすかな記憶は「いままでにルーペメガネを
一人くらいは調製販売したかな……?」というものだったが、
どうやら、この人がその人のようだ。
このブログから一部を引用する。
(初めのブログから)
《東急ハンズで見かけた
ハズキルーペという眼鏡タイプの拡大鏡を買ってみた。
高価だったが買ってみた。
そして使ってみたが、もう一つしっくりこない。》
(あとのブログから)
《昨日の夜から新しい眼鏡を使っている。
辛かった読書がうそのように楽になった。
いつも自分の脳の中では、
見えない文字を修正しながら苦労していたのだろう。
フレーム込みで5万近くもしたが、
こんなに見えるようになれば安いものだ。》
(引用おわり)
この人の場合、まずハズキを買ってみて、いまいち満足できないので、
個人対応のルーペメガネを作りに来店されたわけであり、
このサイトで述べている我々の趣旨、すなわち
既製品の双眼ルーペなどで不満な点があれば、という
ことでの、「マイルーペメガネの購入」だといえる。
それで、結果としては、マイルーペメガネを
たいへん気に入っていただけたようで、私もうれしい。
しかし、この人の例だけを持ってして、
私は「だからハズキよりもマイルーペメガネの方が
優れているのだ」という断定をしようというのではない。
これはあくまでも一例に過ぎない。
当然のことながら、ハズキで満足できている人も大勢いるだろうし、
なかにはマイルーペメガネを使っても満足できない人もいるかもしれない。
なお、もしも、このブログの主は実は私自身ではないか、とか、
私がこの人に頼んでブログにこういう内容の記事を書いて
もらったのではないか、などという疑いを、
どなたかが持たれたのであれば、
本当にそうなのかどうかを徹底的に調べていただいたら
良いと思う。
(私がそんなことをするような人間に思えますか?)
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次の項では、ハズキルーペ5について、
実際の商品を検討しての、私の感想や意見を書きます。
→ハズキルーペ5を批評する
なお、私は、企業から「あの記事を削除しなさい。さもないと訴える」という警告を受けたのは
今回が2回目であり、一度目については、下記をご覧いただければ幸いである。
→ 眼鏡公正広告協会 http://www.ggm.jp/gkkk/question/super2.html
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