あるメガネ店店長のハズキルーペ評
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あるメガネ店店長のハズキルーペ評
岡本隆博○○○○○



パート5は重ね掛けに向かないと


兵庫県尼崎市のメガネSHOPアイの大来店長の
ブログに、ハズキルーペ・Part5の紹介批評が
掲載されている。

 http://www.shop-ai.jp/hpgen/HPB/entries/291.html
(2014.8.6現在)

この人は、自らハズキルーペの販売を手がけている人である。
このブログを見た限りにおいては
これまでけっこうな本数のハズキを
販売してきた人のようなので、
ハズキに関するお客様からの使用感想なども
よくご存知なのだろうし、
新製品のPart5に対する批評も、
かなり具体的になされているようだ。

大来氏は、パート5は自分がためしてみて
重ねがけをしにくいということを
写真まで入れて詳しく述べ、
《Part5はハズキ単体で使う人を
想定してるんじゃないかと思えます》と言う。

(引用はじめ)
ハズキ=拡大鏡=物を大きくしてみる
老眼鏡=近くにピントを合わせる
このように考えて下さい、最終的には近くのものを
見るという点で変わりませんが、方法や用途が若干違ってきます
だからこそ老眼鏡でピントを合わせ、
ハズキで大きくして見るといった重ねがけが
効果的だったんだと思うですけどね
(引用おわり)


この意見には私もある点では同意できるが
別の点では異議がある。

まず、同意しにくい点を言うと、
重ね掛けで手元のものが大きく見えるのは、
主として、それにより視距離が近づくからであり、
このことについては、同じ度数の既製老眼鏡の重ね掛けでも
やはり、手元のものがグンと大きく見えることから
理解できるであろう。

(ただし、同じ度数の重ね掛けどうしで比較すると、
ハズキの方が短いOCDのせいで
やや大きく見える)

それから、同意できる点はといえば、
ハズキは、個人対応で度数を入れてあるのではない
のだから、単独使用よりも重ね掛けの方が
見え方において満足できる可能性が高い、
ということについては、私もそう思う。

ゆえに、パート5ではレンズの天地サイズが
短くなったにも拘わらず、
鼻当ての位置や構造が元のままなので、
重ね掛けに不具合になった、
というのが多くのユーザーの感想なのであれば、
パート3までのハズキの良さが、パート5ではかなり薄まってしまった
といえると、その理由は、「ハズキは重い」とか「大きくて形態に不便」
とかいうユーザーの声にメーカーが応えようとしたからだろう。

重ね掛けで視野を狭くしないためには、
レンズは大きくせざるを得なくなる。
しかし、そうすると重くなって、
自分のメガネとハズキとの合計の重さが
鼻のあたりにかかってきてうっとおしい。

ヘッドバンド式の双眼ルーペでは
鼻のところの重さの点はクリアーできるが
メガネ式のものよりも視野が狭いし、
ヘアスタイルによっては使いにくいし、
人前で単独使用をするには気がひける。

こういうジレンマに対する一つの回答が
レンズの天地サイズを有る程度短くした
ハズキPart5なのであるが、
すべてに満足できる商品と言うのは
なかなか難しいものだと思う。

(引用はじめ)
Part3とは明らかに別物のようになってるので、
どうせならハズキPart5じゃなくてハズキコンパクトとか
別バージョンで出した方がややこしくなくてよかったんじゃ…
絶対買って失敗してる人とかいそう
一応Part3も継続して販売しているので新型だからと
Part5に飛びつかずどっちが良いか考えてから買った方が良いですよ
個人的な感想としては前回のPart3でよかったとおもうんですよね〜
サイズが小さくなりすぎてメガネと併用するには保護メガネとしても使いにくい、
ウリのはずの視野も狭くなってるし(上下視野)
(引用おわり)


梅田の東急ハンズの担当者は
「ハズキのパート3はもう製造していない」
と言っていたが、
実際のところはどうなのだろうか?

(引用はじめ)
ついでに愚痴るなら、人にはネット通販禁止、
安売りもダメと言っておいてそこらじゅうで
安く通販している現状を何とかしてほしい、マジで(´・ω・`)
(引用おわり)


このあたりのことについては、
販売店でそういう不満を感じるのならば、
メーカーに直接言ってみて、
その答に納得できなければ、
自店での取り扱いをやめるか、
我慢して販売するかのどちらかしかないだろう。

ただ、下記のことは言えると思う。

・その商品の製造発売元が、販売量の拡大を目指す限りにおいては、
 ネットでの通販や安売り宣伝をメーカーの力で根絶させることは、
 まず無理だろう。

・自社製品の実版価格をメーカーが規制するというのは、
 ヤミ再販と言って、独占禁止法違反になるのであり、
 それがあったことが立証されれば、
 公正取引委員会により摘発されるはずである。


  http://www.shinki-kaitaku.com/s07_word/ya/ya02.html



短いOCDへの言及なし


それと、この人は、
http://www.shop-ai.jp/hpgen/HPB/shop/sitemap.html(2014.8.6現在)
ハズキについてこれまでに何度も書いており、
ハズキには対してはかなり思い入れがある人のようなのだが、
私が「これがハズキのアイデンティティーである」と言うところの
「OCD(光学中心間距離)48mm」については、まったく言及がない。
メガネ屋の店長さんなのだから
光学には素人ではないはずなのに……。

それで、なぜそれについての言及がないのか
ということの理由としては、

1)レンズメーターでハズキの光学中心の位置を
  調べたことがない。

2)それは調べてあり、OCDが48mmであると知っているが、
  なぜ48mmなのかと考えたことはない。

3)その理由を考えてみたが、よくわからない。

4)OCDが短いことの理由は理解している。
 ハズキは元来VD(角膜頂点間距離)を長めに使うものだから
 そうであれば、レンズを通る視線の間隔はかなり狭くなるので
 OCD48mmでもおかしくないと思った、というか、
 48mmで当然だと思ったから、それについては
 特にブログでハズキの特質として書いてはいない。

5)OCD48の効果(普通のVDで使っても、
 狭いOCDにより、ものが大きく見える)について
 理解しているが、それは一種の企業秘密だと思うから、
 それについては、あえて書いていない。


可能性としては、以上のようなことが有りえるが、
私の想像では、おそらく4)や5)とは違うと思う。
そして、ハズキを販売しているメガネ店の、ほとんどの人間は
この件については、大来氏と同じだろう。

もし、ブログなどで、自店で販売しているハズキに
ついて書いているのが、雑貨店の人なのであれば、
そこにはレンズメーターはないであろうから
1)でも当然なのだが、

メガネ屋では、店にレンズメーターがないというのは、
まずありえないから、
1)ではまったく寂しい、



斜位の検査はしない人


また、2)や3)でも、
メガネ屋であれば、やはり寂しい。

メガネ屋なのに、もし、2)や3)なのであれば、

近見専用のメガネの処方において

A)それがプラスレンズであれば、
そのOCDを近見PDよりも
さらに狭く設定するのが良く、

B)それがマイナスレンズであれば、
遠見PDのままで設定するのがよい。

ということの理由もわからないし、
実際にそういう処方(OCDの指定)も
していないということなのであろう。

ということは、おそらく、そういう人は
日常の検眼において、斜位の検査もしないですませ、
したがってプリズム入りのメガネの処方もしないという
不十分な眼鏡処方しかできない人なのであろう。
  
ご参考までに → 『眼鏡処方の実際手法』
     http://homepage1.nifty.com/EYETOPIA/books.html

それに、メガネ店ならば、たいていの場合、
販売用に既製老眼鏡は在庫していると思う。
そして、もちろんであるが、その中に、
+2.50のものもあるはずである。

そうであれば、
既製老眼鏡の+2.50のものと、
同じ度数のハズキとを掛け比べてみて、
ハズキの方が少し大きく見える、
ということを実感したことはない、
ということなのであれば、
それも寂しいことだと思う。

そうでなくて、もしそういう実感体験があったのならば、
なぜそうなのか、ということについて
考えてみなかったのだろうか。

ちなみに、私の場合は、
このサイトを立ち上げた2012年の1月時点で、
既製老眼鏡よりもハズキの方がものを
大きく見せることの理由について、述べているのである。



この人はメガネの通販をしていた


なお、このメガネSHOPアイ店では
ハズキも含めて、メガネ類の通販をしている。

http://www.shop-ai.jp/

私は、サングラス、メガネフレーム、
メガネ式のルーペなどを通販することには、
賛成できない。

その理由については、私が主宰をしている
下記のサイトをご覧いただきたい。

http://eyetopia.biz/tuhan/


なお、上記のサイトには、大来氏に宛てた
公開質問も掲載してある。

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