ざっと、上記のような点が人気の秘密でしょう。
このハズキルーペは、
発売されるやいなや、
たちまちのうちに爆発的な販売が実現され、
それに自信を得たメーカーは
テレビの広告や
全国新聞での1ページ広告などを
次々と展開し、
東急ハンズやデパートなど有力な販売店では、
ハズキの特設コーナーを設けて、
これまでのペアルーペとは
ケタ違いの販売実績が上がっているようです。
ハズキの大人気の源泉は何でしょうか。
もちろん、宣伝の力もあるでしょうが、
それだけではありません。
その人気の理由を、
思いつくままに列挙してみます。
1) |
スタイル性
老眼の人がかけるメガネには見えない、
スポーティーでスタイリッシュな外観 |
2) |
老眼の人であってもなくても、
近くを大きくはっきり見るためには、
多くの人にけっこう合う、
+2.50という ほど良い度数。 |
3) |
ハズキの度数は1種類だけだが、
ハズキ単独では見えにくい人の場合には、
メガネとの併用(重ね掛け)で、
ほとんどの人には度数的に適合できる。 |
4) |
老眼鏡、という打ち出しではなく、
ルーペと名乗ることにより、
老眼世代(特に、老視の初期)の人の
内心のコンプレックスに
触れないですませているし
老眼世代以前の人の需要も喚起している。 |
5) |
単なる既製老眼鏡よりも、
ものをけっこう大きく見せるので、
老眼のあるなしにかかわらず、
試しにかけて見たときに、
一種の驚き(感動)を感じることにより、
すぐの購買(衝動買い)に至る場合も多い。 |
6) |
すでに老眼鏡を使っている人の場合でも、
同じ程度の度数の老眼鏡よりは、
ハズキで拡大することにより、
小さめの文字なども見やすくなるという実用性。 |
7) |
ハズキのレンズを
わざわざ鼻先にまでもって遠ざけない掛け方でも、
ハズキの鼻あてのあたる位置は
普通のメガネの鼻あてが当たる位置よりも低く、
目頭から遠くなるので、
かけていて楽である。 |
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ざっと、こういうところでしょう。
では、ここで特に
どういう人の場合に
ハズキルーペに大満足を感じられるのか、
ということを少し考えてみましょう。
1)
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これまで老眼鏡を使ったことがない人の場合
生まれてこのかた、
メガネのお世話になったことがなく、
年齢と眼の屈折状態の関係からして、
もうかなり前から
本当は手元のものをはっきり見るための
近用メガネを必要としているのに、
自分が老眼になっているということを
認めたくないなどの理由で、
がまんしてそれを使わずに来た人の場合には、
ハズキを使うと当然のことながら
手元の細かい文字などが
大きめにはっきりと見えるので、
一種の感動を覚え
「これはいい!もう手放せない」
と思う、
ということは大いにありえるでしょう。
@ |
その場合でも特に、
すでに老人性遠視も始まっており、
かなり接近して細かい物を見るのではなくて
通常の読書距離で本や新聞などを見るのにも
+2.50前後の度数を必要とする人なら、
ハズキはどんぴしゃりです。
そして、メガネを常用する意思も必要性もなくて
手元のものを
はっきり見たい時にだけちょっと使う、
というのであれば、
遠近両用でなくともかまわないので、
視野が広いハズキはもってこいでしょう。 |
|
A |
あるいは、
老人性遠視というほどの
遠視の眼にはなっていない
ほぼ正視の眼か、
弱度の近視系の眼で、
まだ老視の初期であり、
本や新聞程度なら裸眼でもなんとかなるけれど、
刺繍をするとか、模型作りをするとか、
読書の距離よりも接近して
細かいものを見たい時には困っている、
という人の場合にも、
+2.50Dという度数は、
なかなか良い度数となりそうです。 |
|
B |
また、
ほぼ正視の30代から40代前半の人で、
まだ老視も来ていないし、
普通に手元の本やケイタイなどを見るのには
まったく不自由はないが、
趣味や仕事で、
かなり接近して細かいものを見るときに、
短時間なら問題はないが
継続して見ていると目が疲れてくる……
という人の場合には、
+2.50Dで物を大きく楽に見て
(眼の調節量を節約できる)
うまく作業が継続できる、
これは良いものが手に入ったぞ!
とハズキが喜ばれるケースも、
当然あると思います。 |
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2) |
これまでメガネを使ったことがあるか、いまも使用中の人
@ |
遠近両用を使っている人
遠近両用を使っている人で、
老視の進行かなにかの理由で、
そのメガネでの近見において、
鮮明度や視野の広さに
不満を持っている人であれば、
ハズキ単独の使用か、あるいは、
ハズキを遠近両用のメガネの前に合わせて
使用することによって、
手元のものをより鮮明に
大きく見ることができて満足感を得る、
ということがあるでしょう。
ただ、その場合、
その合わせメガネを
四六時中常用するというのは無理なので、
手元のものをはっきり見たいときは
さほど頻繁でもないし時間も長くない、
という場合に限るでしょう。 |
|
A |
近く専用を使っている人
正視に近い老視の人で
近く専用のメガネを必要時に
使っているのだけれど、
老視の進行にともなって、
いまのメガネが視距離に対しては
少し弱めの度数のなってきている、
という人の場合には、
それまで使っていたメガネが
+2.50D未満であれば、
当然ハズキ(単独使用)
のほうがよく見えるので、
けっこう満足できるでしょう。
あるいは、
これまでのメガネが
+2.50よりも強い度数であっても、
実際にはそれよりも強い度数を
必要としていたのであれば、
これまでのメガネの前にハズキを重ねて掛ける
というふうにやれば、
前のメガネの度数に2.50Dが加わることにより
視距離がかなり近くなって
相当に細かい作業でもなければ、
重ね掛けという点に
若干の不自然さを感じるかもしれないけれど、
そうやってハズキを使う時間が
さほど長い時間でなければ、
とにかく前のメガネ単独で見る場合よりも
大きく鮮明に見えるのですから、
満足感はあるでしょう。
また、
これはあまり多くはない例かもしれませんが、
老人性遠視と老視がある高齢者で、
読書用に+4〜5Dくらいの
近く専用メガネを使っているのだけれど、
パソコンを見るのにはそれでは強すぎで不便、
という人の場合には、+2.50のハズキなら
「ハズキでパソコンにはちょうどよい、
これはよいものが手に入った!」
ということもあり得るでしょう。 |
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ざっと、以上のようなケースでは、
ハズキで大いに満足されるかたがおられると推察できます。
では、次の項で、
現状(2011.12.29現在)での
ハズキの課題について、
私の考えを述べてみることにします。
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