個人対応のルーペメガネ
まず、
ここでの用語の定義をしておきます。
ここで言う「ルーペメガネ」とは、
「ある近方の目的視距離に対して、
普通に度数を合わせた個人対応の近見用メガネや
本人が選んだ既製老眼鏡よりも
像が大きく見えると
使用者が自覚できる
近見専用のメガネ」 |
のことです。
(ハズキは、この定義からすれば、
「ルーペメガネ」になります)
その場合、
単独で使われるものでも、
遠用や近用などのメガネと併用するものでも、
どちらの場合でも「ルーペメガネ」と呼ぶことにします。
そして、
レンズも含めての既製品ではない、
個人対応のルーペメガネ
(屈折検査をしたうえでその人用に処方調製されたもの)
を、私たちは「マイルーペメガネ」と名付けます。
なお、マイルーペメガネは、
(1) |
メガネと併用するものだと、
その度数は必ずプラス度数(凸レンズ)になります。
ご希望の視距離に応じた度数を入れます。
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(2) |
単独で使うものの場合、
レンズの度数がプラスの場合はもちろんのこと、
マイナスの場合でも処方調製をすることが可能ですが、
プラスデモマイナスでも、
ほとんどの場合に、乱視矯正も入ります。
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上記のいずれの場合も、
OCD(左右のレンズの光学中心間距離)は
個人対応の長さとします。
また、
上記の(2)でマイナス度数(凹レンズ)のものの場合には、
通常の近く専用のメガネよりも視距離をやや短くとり、
さらにベイスインプリズムにより像の縮小を減らして、
手元の細かいものを比較的大きめに見えるようにしますが、
ただし、近くを見るのにマイナス度数となる場合においては、
ご自身のメガネとルーペメガネとの併用のほうが、
手元のものを大きく見る効果は高くなります。
本会会員のルーペメガネの処方調製方針
1) |
私たちルーペメガネ研究会の会員は、
ルーペメガネを要望されるお客様に対して、
詳しい屈折検査や眼位検査をいたしまして、
矯正すべき不同視、乱視、斜位などがあれば
それを矯正したうえで、
近見専用あるいは、
現在使用のメガネとの併用で、
テストレンズによって
普通の近用メガネよりも像が大きく見える状態を提示し、
それを確認していただいた上で、
そのかたに適した個人対応のルーペメガネ
(裸眼に単独使用か、すでにお持ちのメガネとの併用)
を調製させていただきます。 |
2) |
その場合に、
普通の近用眼鏡に比べて
像がどれくらい大きく見えるのかということは、
度数や個々の条件により異なりますが、
裸眼で単独のルーペメガネを使う場合においては、
遠視系で近用メガネのプラス度数が強めのかたほど、
その効果は大きくなります。
また、
遠用か近用メガネ、
あるいは遠近両用や中近両用などの
累進メガネをかけた上から
ルーペメガネを使う場合には、
視距離を短くして見る場合ほど、
ルーペメガネのプラス度数が強くなりますので、
VD(眼とレンズとの距離)を
普通のメガネよりも長めにすることによる
像が大きく見える効果は高くなります。 |
3) |
もし、検査をしていて、
十分な視力が出なかったり、
眼精疲労を感じられたりして、
しかもご本人もその理由をご存じないという場合には、
私たちはその場でメガネやルーペメガネをおすすめすることはせず、
眼科への受診を優先されるように提言します。 |
*マイルーペメガネは、下記のようなかたにおすすめします。
1) |
市販の双眼ルーペでは満足できないかた
既製品の双眼ルーペ
(メガネ型であってもなくても)
あるいは、単眼ルーペでは、
自分の見たい視距離と合わないとか、
視野が狭すぎるとか、
大きく見える度合いが足りなく感じるとか……、
とにかく何らかの理由で満足できないかたには、
個人対応のマイルーペメガネをおすすめします。 |
2) |
いまの近用眼鏡(累進メガネを含む)よりもさらに大きくはっきりと見たい。
そのかたの眼が近視系であれ、
遠視系であれ、
こういうご要望のかたには、
マイルーペ単独か、または、
ご自身のメガネとの重ね掛けにより
像の拡大率の増大を実現できるマイルーペ
をおすすめします。 |
上記の1)2)どちらの場合も、
マイルーペメガネであれば、
既製品とは違いますので、
視距離に合わせた度数で、
単なる老眼鏡よりも拡大率(像の大きさ)
を上げた状態でお作りできます。
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