目の大きさが小さくなる?


岡本隆博
Q. どうやら、強度近視の人たちは、「目が小さく見える」ことを、
最も深刻な問題と捉えている模様です。
それに対する、『ウスカル会の見解』を表明しておきましょう。


A. つまり、強度近視のひとは、メガネをかけたときに、
「外から見て、目が小さく見えてしまう」
ということを大問題としていると……
では、その点に関してお答えします。

強度近視のメガネを掛けますと、レンズの厚みの他に、
次のことに関しても、感じが悪いなと思うことがあります。

(1)他人から見た目の大きさが、実際よりも小さく見える。
(2)顔の輪郭線がレンズの部分だけへこんで、変な顔に見えてしまう。


これに関して、
ウスカル枠でメガネを作れば、どういうメリットがあるのかということについて、述べます。

(1)目の大きさ

強度近視のメガネにおいては、
レンズと目の間隔
(専門的には「角膜頂点間距離」「頂間距離」「装用距離」などと言います)
が長くなればなるほど、同じ度数でも目の大きさは小さくなります。

 ウスカル枠でメガネを作った場合には、
レンズの面積が狭いので、フレーム視野を拡げるために装用距離を短かめにする事が多く、
そうすると自然に外見上の目の大きさの縮小はましになります。

 たとえば、強度近視のメガネをかけている人がまわりにおられれば、
(あるいは、ご自分がそうであれば)
メガネと目との距離をいろいろに変えて実験をしてみられれば、
そうなることがすぐにおわかりになると思います。

 なお、この件については、
装用距離の他にも、レンズのカーブが浅めの方がましであるとか、
球面設計よりも非球面設計のレンズのほうがましであるとかいうこともないではありませんが、
その違いは大したことがなく、装用距離がもっとも影響力が大きいのです。
 ですから、強度近視のかたは、なるべく下記の順序でメガネを注文されるとよいです。


1.枠を決めて、装用距離ができるだけ短くなるようにフィッティングしてもらう。

2.その装用距離を前提として目の測定や処方をしてもらう。
(装用距離が違うと、レンズの矯正効果も変わるので、処方度数がかわることがあります)

3.いくつかのレンズの中から、どれで作れば厚みはどのくらいになるとか、
ガラスとプラスチックの長短などを 聞いて、レンズの種類を決める。
(ガラスレンズの方が値段は安めで薄くできます)


 また、装用距離における「12mm」は一つの基準値に過ぎず、
そうでなければならないということは全くありません。
強度近視の場合においては、12mmよりも短くすると、次のようなメリットが出てきます。

A.フレーム視野が広くなる。

B.やや弱めの度数でも矯正効果が増す。(レンズが薄くできる)

C.レンズ周辺の収差の大きい部分が視界に入りにくくなる。

D.不同視の場合に、不等像視の程度が減り、上下プリズム誤差も減って、融像が楽になる。

E.乱視矯正レンズにおける像の歪みを感じ憎くなる。


(2)顔の輪郭線の入り込み

強度近視のメガネを掛けた顔を正面から見た場合の、
レンズ部分における顔の輪郭線の入り込みは、
レンズが大きければ大きいほど、
そして、装用距離が長くなればなるほど目立ちます。

レンズが大きくないのが特長であるウスカル枠で、
しかも装用距離を短かめにしますと、
外見的な顔の輪郭線の入り込みは減ります。
これについても実験をしてみていただいたら、おわかりいただけると思います。

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